人気ブログランキング | 話題のタグを見る

美術修復修行中。


by jaimeleschiens
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

パネルを支える金属 三点セット

今日も昨日の続き、ひたすらネットワイアージュです。小さいパネルですが、午前中に2枚、午後に2枚、一日4枚しか進みません。

さて、以前、パネルを支える金属類、「バルロチエール」「フォイヤール」「クラウ゛ェット」について書いたことがありますが、アトリエの片隅に、この三点セットのミニチュアがあったので、デジカメに納めました。
これです↓↓
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_637592.jpg


1. バルロチエール
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_6394190.jpg

通常、すでに窓に取り付けられています。
真上から撮ったので少し見にくいですが、突起物がありますね。これを「パントン」といいます。

2. フォイヤール
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_6411933.jpg

バルロチエールのパントンにステンドグラスパネルを乗せ、
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_6432929.jpg
このフォイヤールで挟みます。フォイヤールの穴は、セットのバルロチエールのパントンの位置に合わせて抜かれています。
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_6454610.jpg


3. クラウ゛ェット
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_647877.jpg

この楔(くさび)がクラウ゛ェットです。フォイヤールの穴から出てきたパントンに、上から差し込みます。

ちなみに、このパネルが、幾何学模様の最も基本の形、「ロゾンジュ LOSANGE」と呼ばれるものです。ロゾンジュとは「菱形」という意味です。
いくつかのピエスに模様が描かれていますね。これが、グリザイユの絵付け。中世によく使われた赤いグリザイユで描かれたピエスと、後世に作られた緑のグリザイユと「デポリDEPOLI(E)」と呼ばれる白いグリザイユとを半分ずつ混ぜたもので描かれたピエスと、何も描かれていないピエスとで、このパネルは組まれています。「デポリ」とは「つや消しの、曇った」という意味です。光にかざすと、ほぼ色が消えて、なんとなく摺ガラスのような感じがしますね。
パネルを支える金属 三点セット_b0108483_6493334.jpg

by jaimeleschiens | 2006-07-12 22:35 | 平日