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美術修復修行中。


by jaimeleschiens
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中国絵画

先日の試験の(C)東洋美術の出題絵画↓↓
(用紙の端っこに「山水画」なんてメモってしまっていますが...恥)
中国絵画_b0108483_17212476.jpg
わかりました。
明代の李在筆「山水図」、重文で東京国立博物館蔵。
そっか〜、すぐ近くにあったんだね、この絵。

で、早速東京国立博物館のホームページを見ると、2006年10月3日から2006年10月29日まで、この絵が東京国立博物館の東洋館で展示されるそうです。

なんでも、李在は雪舟の先生としても有名な画家だそうで...ほ〜、全然知らなかった。
ページ上の解説に「...本図は北宋の李成・郭煕派的な画風を倣った李在山水画の代表作...」とあるのを読んで、私も郭煕の絵っぽいなと感じていたので、まあ、方向としてはあながち間違えでもなかったと少し安心しつつ、あ〜、やっぱり(A)じゃなくて(C)を選べばよかったと、深く後悔...。

でも、おかげで勉強になりました。
# by jaimeleschiens | 2006-10-02 17:08

ひさびさに脳を使い...

じつは今、再び日本です。
先週金曜日、慌ただしく帰国して、昨日、某試験を受けてきました。
結果は...

撃沈。

試験時間は、
09h30-11h30 外国語(二カ国語)
13h30-14h30 小論文
16h00-17h30 専門科目(私の場合は美術史)
だったのですが、いやあ、待ちくたびれて。
試験と試験の間が、長過ぎ。これが一番まいりました。
眠くなってしまうのね。せっかくのイイ感じの緊張感が、とろけて無くなってしまった。

特に、午後イチの小論文。文章を読んで、自分の見解を述べるのですが、
とろ〜んとした昼下がり、ようやくエンジンがかかって草稿用紙から答案用紙へ移ったところで、終了。
なにやってんだ私。最初から答案用紙に書いてりゃよかった。
せめてあと15分欲しかった...。凹みました、自分のバカさに。

前後の休息時間、ほんと、要らない。
いや、こういう状況下での判断力が試されているのかな?

さて、例の詰め込み美術史も、この日のためなれど、
たった一ヶ月間の準備じゃ、やっぱりつけ焼き刃...。

美術史の出題の形式は、
(A)西洋美術
(B)日本美術
(C)東洋美術
の各分野で一点ずつ、計三点の作品コピーが白黒A3版用紙で渡され、その三点のうちの二点を選んで、分析して自分の考えを書いていくのですが、今回のは、(A)は(多分)ベレロフォンのキマイラ退治の場面の浮彫り彫刻、(B)は喜多川歌麿「北國五色墨てっぽう」、(C)は宋代の郭煕の画風によく似た山水画、でした。東洋美術史についての私の知識は、かたつむりの脳味噌ほども無いので、はなから無視。選択の余地なく(A)(B)にとりかかったのですが...

(B)(C)にすればよかった。あとの祭りだけど。

そもそも、普通の美術解説書に載っているようなのは、まず出ないんだよなー。
過去5年間の問題集を見ても、作者は有名でも、作品は日本ではマイナーなものばかり。
(もちろん、知っている人はとっくに知っているでしょうけれど。)
たとえば、西洋美術史で、これ。↓↓
ひさびさに脳を使い..._b0108483_10563469.jpg
執念で探し出しました。↓↓
ひさびさに脳を使い..._b0108483_10575673.jpg
ロレンツォ・ロット「Portrait of Andrea Odoni」1527 Oil on canvas, 114 x 101 cm Royal Collection, Hampton Court
ほかに、
●ティツィアーノ「The Andrians (Bacchanalia)」1525 Oil on canvas, 175 x 193 cm Museo del Prado, Madrid
●ゴヤ「Duquesa de Alba」1797 Hispanic Society of America, New York(メトロポリタン美術館)
●不明。↓↓恐らく国際ゴシック期のものだと思われますが...。アトリエの面々も「見たことない」と。(御存じの方、教えてください。)
ひさびさに脳を使い..._b0108483_10585258.jpg

●レオナルド・ダ・ウ゛ィンチ風の素描だと思いますが、未だ見つからず...↓↓
ひさびさに脳を使い..._b0108483_1182766.jpg


日本美術史では、
●尾形光琳 「Waves」 Two-fold screen; ink color, and gold leaf on paper; 147 x 165.4cm Fletcher Fund ( メトロポリタン美術館)
●雪舟「慧可断臂図」1496重文(斎年寺)
●「鳥獣人物戯画 丁巻」国宝(高山寺)→これはまさに一昨日、ようやく見つけて、嬉しさのあまり9月29日付けのブログに載せました。
●「源氏物語絵巻 鈴虫二」国宝(五島美術館)→平成十二年に発行された新二千円札の図柄がこれなんですね。
●浦上玉堂「凍雲篩雪図」19世紀前半(川端康成記念館)

ね、マイナーでしょ?
(え、そうでもないですか?...そうですか。)

今日の結果は、もう目に見えているので、合否発表、見に行きたくないー。

しかしまあ、久々に頭を使ったから、私の脳味噌はかなり吃驚したらしいです。
帰宅後、氷砂糖をぼりぼり食べて、ようやく脳回復。
でもまだ、これからいくつかテストが続くので、
しっかりしろ、脳味噌。
今日の試験の前に他のテストがあれば、脳の柔軟体操にもなったでしょうけど、まあ、しかたがない。
日頃からもっと意識して脳を鍛えなくてはと思いました。
# by jaimeleschiens | 2006-10-01 11:09 | 週末

見つけた

今朝、起き抜けに本棚を眺めていたら、『絵巻物に見る日本庶民生活誌』(宮本恒一著、中公新書)というのがあって、あれ、こんなのあったっけと手に取ってぱらぱらとページを繰っていると、あっ!

こんなところにあったよ〜。

ずっと探していたんです、この絵巻の正体。↓↓
見つけた_b0108483_11113917.jpg
そしたら、ほら、ここ。↓↓
見つけた_b0108483_11122723.jpg
見つけた_b0108483_1113397.jpg
なんだー、「鳥獣人物戯画」だったんだ。
でも丁巻。「鳥獣人物戯画」は甲・乙・丙・丁の全四巻で、甲巻はお馴染みのウサギやカエルの絵だったりするんですが、丁巻までは見たことがなかったもので、いやあ、なんか、やっと見つかって、肩が軽くなりました。
でも私、いろいろ知らないことだらけだなあ...。
# by jaimeleschiens | 2006-09-29 12:37

パトリモワンの日。

昨日、今日の二日間は「文化遺産の日 JOURNEES DU PATRIMOINE ジュルネー・デュ・パトリモワン」でした。ウチのアトリエでは、今日のみ午後14時〜17時半まで一般公開。といっても、単にアトリエの中を皆さんにお見せするだけなので、別段特別なことをするわけではないのですが、今年は、サンジェルマン・ロクセロワの実物パネルを使っての一連の修復作業の手順の展示と、14世紀を除く各世紀のパネルの展示をしました。
パトリモワンの日。_b0108483_5592088.jpg
パトリモワンの日。_b0108483_613587.jpg

で、午前中、簡単な準備。アトリエ主に「(サンジェルマン・ロクセロワの解体済パネルのピエスで)ティファニゼの見本と鉛組み立ての見本をちょこっと作っといて」と言われて、ちょこっと作ったのが、これ。↓↓
パトリモワンの日。_b0108483_63063.jpg
パトリモワンの日。_b0108483_643098.jpg


さて14時。堰を切ったようにみるみる人が集まって来て、いやあ、こんな田舎に、はるばるようこそ。
皆さんの目当ては、やっぱりシャルトルのパネルのようでした。荘厳のブルーを間近で見られると張り切ってやって来たようです。でも、実際は煤だらけで真っ黒なパネルを目にして、皆さんキョトンとしていました。

あっという間に5時半になり、終了。
昨年もそうだったのですが、このパトリモワンの日が終わると、なんだか途端に秋を感じて、少々もの寂しい気分になります。日もずいぶん短くなりました。

ところで、去る9月5日、うちのチビ犬の誕生日でした。写真をアップしたので、よろしかったらカレンダーの9月5日をクリックして、御覧ください。
# by jaimeleschiens | 2006-09-17 23:55 | 週末
またまた長いご無沙汰、申し訳ありません。
ご心配をおかけしました。
じつは、8月11日から9月6日まで日本へ戻っていたのですが、7月末から帰国直前まで、急遽所用が重なり、ネットを開くことすらできぬ有り様でした。(←言い訳。反省。)

日本では、さらに輪をかけて、いやあ、時間の経つのが早すぎて...。(←言い訳。反省。)
こちらへ戻っても、あれやこれや、みるみる日が経ってしまい(←言い訳...ほんと、すみません。)、
やっと今日の先程、ようやく一段落ついて、ブログ再開です。いやあ〜。
備忘録にしたがって、今までのあれこれを少しずつ徐々に遡って載せていく予定です。

...が、ここで、もうひとつ言い訳。
今、わけあって美術史の猛勉強中なのですが、気が付けばいつも真夜中過ぎなもので、ブログの新記事アップも、まあぼちぼちという感じでご勘弁ください。

いやあ、覚えること多過ぎ...。
(単に知らなさ過ぎ...。)

ドタバタの毎日なのですが、この最中(さなか)、親切ご近所さんから一枚の紙切れを渡され、なんでも、ある日本人が作った俳句をフランス語に訳したものだそうで、そのオリジナルの日本語の俳句を、きちんと筆で書いておくれ、と。

...困ってます。

とりあえず有名どころで探してみても、これといっためぼしいものは見つからず...。
有名じゃない俳句なのかな?
それともやっぱり、単に私の知識不足か(→だろうね、きっと)。


ちなみに、渡された紙片の字面は、以下の通りです:
(アクセント記号が文字化けしてしまうので、すべて大文字で載せました。見にくくてすみません。)

JE NE FAIS RIEN
C'EST UN JOLI MOMENT PERDU(→掛け言葉になっています。)
ET J'ESPERE QUE QUELQU'UN LE RETROUVERA.

しかしまあ、俳句ってすごいですね。
わずか17モーラで言い表してしまうんですもんね。
いやあ〜、つくづく、奥が深い...。
# by jaimeleschiens | 2006-09-16 23:08 | 週末