美術修復修行中。


by jaimeleschiens
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拓本、ネットワイアージュ、解体

今日はまず、先週片面をネットワイアージュしたパネル全ての拓本作り(frottis フロッティ)からスタート。↓↓
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楽し過ぎて、あっという間に終了。
あとでパネルを解体(dessertisage)するのですが、その時にとても重要になります。

次に、パネルのもう片面のネットワイアージュ作業。
私達がいつも「THIO チォ」と呼んでいる、アトリエ主が作るジェル状溶剤を、刷毛でパネルに塗って最低20分寝かせます↓↓
b0108483_4511769.jpg
...テーブルに置かれた別のパネル、これ、パリのエクオン美術館のパネルです。そう、じつはうちのアトリエで修復中なのです。

さて、「THIO」と呼ぶからには、きっと硫黄の化合物なんでしょうが、成分はアトリエ主以外、誰も知りません。アトリエ主家がバカンスから戻ってきたら訊いてみようと思います。
(...じつは、アトリエ主家が今週もバカンスだとは知らず...犬たちは、自動的にもう一週間預かります。ただ、鉢植えトマトがそろそろ根詰まりしてきて、水をきちんと吸わなくなってきたんですよね。植え替えたほうがいいんでしょうけど、勝手にやってあとでなにかあってもナンなので、とりあえず頼まれた水やりだけやっておくことにします。)

さてさて、こびり付いた固いマスティックや頑固な汚れを浮かせてから、柔らか歯ブラシで磨いて(絵付け部分を傷つけないように注意しながら)、再び20分ほど寝かせたあと、溶剤を柔紙で取り除き、純エタノール溶液で拭き取ります。ジェルを完全に取り除くのはかなり手間がかかります。

ネットワイアージュの終わったパネルは順次、長いビニールシートの上に置いて、柔紙を二重にかぶせた上から純アセトン液を満遍なく注ぎ、ビニールでしっかりと包み込み、最低2時間寝かせておきます。↓↓
(この間に昼食をとる。)
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これは、上のネットワイアージュで取れなかった超頑固なマスティックをふやかして(ramollir ラモリール)、このあとの解体作業で鉛からピエスが外れ易くするためのものです。

続いて、解体作業。
鉛から丁寧にピエスを外していきます。
その前に下準備:大きな引出し板を用意して、そこに拓本を置いて、さらに透明ビニールシートを置きます。この上に、外したピエスを重ねていきます。↓↓
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鉛から外したピエスは、拓本の上に置く前に、エタノールとアセトンを半々ずつ混ぜた溶液で、マスティックを完全に落とします。↓↓
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こうして徐々に解体していきますが、鉛からピエスを取り外すには、かつてこのパネルが作成された時の鉛の組まれた順をよく考えないといけません。無闇やたらと外そうとすると、ガラスは必ず割れてしまいますが、組まれたときと逆の順に外していけば、何事もなくするりと鉛からピエスが抜けます。これがまた面白い。すっかりツボにハマっています。
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by jaimeleschiens | 2006-07-17 22:04 | 平日