美術修復修行中。


by jaimeleschiens
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世の中、なんでもバランス。

今日は昨日のパネルのオリジナル・ピエスの、グリザイユが施されていないほうの面に、「パンチュール・ア・フロア(PEINTURE A FROID)」(=焼きつけない絵付け) をしました。丸一日、アトリエの北側の壁(一面ガラス張りになっている)にパネルを立てて、自然光を背に、少しずつ黒の油性絵の具を乗せて影の濃淡を出していきます。しょっちゅうではありませんが、こういった方法も、たまにとられます。

やっぱり難しいのが、衣服の影付けです。
特に、肘を曲げた部分の影の流れ。
それも、自分で全部創作するのなら問題ないんですが、オリジナルが微妙に残っていて、しかもそれがもともとあまり上手でない絵だったりすると、その絵に合わせるのが難しい。

実際、けっこうあるんですね、どう贔屓めに見ても、これはちょっと...なパネル。
「自家製焼きたてパン」のパン屋が必ず美味しいパン屋だとは限らないのと同じで、ステンドグラス工房も、昔も今も、ピンからキリまであるわけです。

また、面白いことに、絵付けが上手なパネルは鉛線の組み立てがいい加減で、完璧に組まれているパネルはなぜか絵付けがいまいち、という不思議な相関関係があります。なんででしょう。
前に、歯医者さんで「歯が丈夫な人は歯肉が弱くて、歯肉が強い人は虫歯になり易い」というのを聞いたことがありますが、それと同じかどうか。
世の中なんでもバランスなんですね。

さて、今、もうすぐ18歳になる、なぜか弁髪の少年が、パリからこのアトリエに今週一週間の研修に来ています。
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今晩、アトリエ主ご夫妻の友人二人(美術史家と、修復家)が、アトリエ主の奥さんの仕事(やはり絵の修復)の関係でアトリエ主宅に一泊することになり、この美術史家さんには前に一度お目にかかったことがあるので、私も食事に呼ばれたのですが、この少年と美術史家とが甥とおばの関係だったことを食事の半ばまで知らず、いやあ、そういうつながりだったのかあ、と、なんというか、しみじみと、こう、思うものがありました。
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by jaimeleschiens | 2006-06-13 23:59 | 平日